「お彼岸」ってどんな意味？何をするの？その疑問、今すぐ解決します！
「お彼岸ってよく聞くけど、実際には何をする行事なの？」と感じていませんか？
春分や秋分の時期になると「お彼岸」という言葉を耳にしますが、具体的な意味や過ごし方が分からず、何となくスルーしてしまう人も多いのではないでしょうか。
実は、お彼岸には先祖を敬い、自分自身の心を見つめ直す大切な意味が込められています。しかも、家族でできるシンプルな行動が多いので、特別な準備は不要です。
この記事では、お彼岸の意味や由来、具体的に何をすれば良いのかを分かりやすく解説します。
「家族みんなでできるお彼岸の過ごし方が知りたい」「今さら人に聞けないお彼岸の意味を理解したい」——そんなあなたにぴったりの内容です。
この記事を読むと、お彼岸がもっと身近に感じられるはずです。最後まで読めば、あなたも自信を持ってお彼岸を迎えられるでしょう！
目次
春分の日とは？
「春分（しゅんぶん）」は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。現在の日本では、「自然をたたえ、生き物を大切にする日」として国民の祝日とされています。この考え方は、1948年（昭和23年）に制定された「国民の祝日に関する法律」に基づいています。
日本の暦では、1年を24の季節の節目に分ける「二十四節気」という考え方が用いられています。これは、1年を24等分し、それぞれの節目に季節を表す名称をつけたものです。「立春」（2月4日頃）から始まり、春分はその4つ目の節目にあたります。
かつては、太陰暦が使われていましたが、月の満ち欠けだけを基準にすると実際の季節とズレが生じました。そこで、太陽の動きを取り入れた二十四節気が考案され、これが日本にも江戸時代ごろに伝わり、暦に組み込まれました。
春分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むため、昼と夜の長さがほぼ同じになる特別な日です。この現象は、太陽が天の赤道と黄道が交わる「春分点」を通過することで起こります。春分の日は毎年3月20日か21日ごろに訪れ、年によって日付が異なります。
秋分の日とは？
「秋分（しゅうぶん）」は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。この日は、「先祖を敬い、亡くなった人々をしのぶ日」として、1948年（昭和23年）に「国民の祝日に関する法律」に基づき祝日とされました。
二十四節気では、立春から数えて16番目の節目が秋分にあたります。春分と同様に、太陽が真東から昇り、真西に沈むため、昼と夜の時間がほぼ等しくなります。この現象は、太陽が天の赤道と黄道が交わる「秋分点」を通過する際に起こります。
秋分の日は、毎年9月22日または23日のいずれか1日になります。日付は年ごとに変わりますが、この日は昼夜の長さがほぼ等しく、季節が夏から秋に変わる節目でもあります。
お彼岸とは？
「お彼岸」とは、日本の仏教行事の一つで、先祖を供養し、自らの心を見つめ直す期間です。「彼岸」という言葉は、もともと川の向こう側を指す言葉で、転じて「あの世」を意味するようになりました。
お彼岸の時期は、春分の日と秋分の日を中心とし、その前後3日間を合わせた合計7日間です。春の彼岸と秋の彼岸の2回が毎年行われます。最初の日を「彼岸入り（ひがんいり）」、最後の日を「彼岸明け（ひがんあけ）」と呼びます。
お彼岸が7日間ある理由とは？
お彼岸はなぜ7日間も続くのでしょうか？その理由は、仏教の教えに基づいています。
「お彼岸」という言葉は、「彼の岸（かのきし）」、すなわち迷いや煩悩のない悟りの境地を指します。現在の私たちがいる「此岸（しがん）」から、修行を通じて悟りの世界である「彼岸」に到達することを目指す期間が「お彼岸」なのです。
この修行に関連するのが「六波羅蜜（ろくはらみつ）」です。六波羅蜜は、大乗仏教における6つの重要な修行項目を指し、布施（ふせ）、持戒（じかい）、忍辱（にんにく）、精進（しょうじん）、禅定（ぜんじょう）、智慧（ちえ）の6つに分けられます。これらは、菩薩が悟りを目指して実践するべき徳目とされています。
お彼岸の7日間のうち、4日目は「春分の日」または「秋分の日」にあたり、この日は先祖供養を行う大切な日とされています。残りの6日間は、六波羅蜜の修行を1日ごとに1つずつ実践するという考え方が浸透しています。そのため、「6つの修行日」と「1日の中日」で合計7日間が「お彼岸」となったのです。
お彼岸の7日間の流れ
- 1日目：彼岸入り（修行開始）
- 2日目：六波羅蜜の1つ目を実践
- 3日目：六波羅蜜の2つ目を実践
- 4日目：中日（春分の日・秋分の日）【祖先供養】
- 5日目：六波羅蜜の3つ目を実践
- 6日目：六波羅蜜の4つ目を実践
- 7日目：彼岸明け（修行終了）
なぜ春分・秋分の日が「中日」になるのか？
春分や秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。このため、現世（此岸）と彼岸（あの世）がつながりやすいと考えられ、先祖の霊を供養する日とされてきました。彼岸の中日が特別な日とされるのは、このためです。
お彼岸が7日間あるのは、「六波羅蜜」の6日間と、先祖を供養する1日（春分・秋分の日）を合わせた7日間の行事だからです。この期間は、現世とあの世がつながりやすいと考えられ、先祖供養や自らの修行の機会として大切にされています。お彼岸の期間は、ただの「お墓参りのタイミング」ではなく、仏教の深い教えとつながりのある行事だといえます。
お彼岸の由来と意味
仏教の教えでは、私たちが生きているこの世界は「此岸（しがん）」と呼ばれ、欲望や悩みが渦巻く不完全な世界とされています。それに対して、悟りの境地や安らぎの世界が「彼岸（ひがん）」です。
この世（此岸）に生きる人が、菩薩の修行方法である「六波羅蜜（ろくはらみつ）」を実践することで、迷いや苦しみを乗り越え、悟りの世界（彼岸）に到達できると考えられています。お彼岸は、そうした修行を行い、心を清めるための期間でもあります。
また、春分と秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日とされています。このため、彼岸（西にあると考えられる極楽浄土）と此岸（東にあるとされる現世）がつながりやすいと考えられ、先祖の霊を身近に感じられる期間とされてきました。これが、先祖供養を行う風習の由来といわれています。
「おはぎ」と「ぼたもち」の違いとは？
お彼岸に供えられる伝統的なお菓子として、「おはぎ」と「ぼたもち」があります。見た目も材料もよく似ていますが、これらにはいくつかの違いがあります。
名前の由来
「おはぎ」と「ぼたもち」は、季節ごとに異なる花の名前が由来です。
- 春：牡丹（ぼたん）の花にちなんで「ぼたもち」と呼ばれます。
- 秋：萩（はぎ）の花にちなんで「おはぎ」と呼ばれます。
形の違い
- ぼたもちは、牡丹の花のようにふっくらとした丸い形が特徴です。
- おはぎは、萩の花をイメージして少し小ぶりで楕円形に作られることが多いです。
あんこの違い
- ぼたもちは、保存した小豆を使うため、皮を取り除いて作った「こしあん」が一般的です。
- おはぎは、秋の収穫したての小豆を使うため、皮ごと使った「粒あん」で作られるのが一般的です。
なぜあんこが違うのか？
かつては、現在のように保存技術が発達していなかったため、小豆は収穫後に保存して春に使うことが一般的でした。保存中に皮が固くなってしまうため、ぼたもちでは皮を取り除いて「こしあん」にして使用しました。
一方、おはぎは、収穫したばかりの新鮮な小豆を使うため、皮が柔らかく、香りも豊かで、皮ごと使った「粒あん」にするのが理にかなっていました。このような昔の知恵が、現在でも製法に引き継がれています。
まとめると、春は「ぼたもち」＝こしあんの丸い形、秋は「おはぎ」＝粒あんの楕円形という違いが生まれたのです。最近では、季節を問わず同じ形状やあんこの種類で売られていることもありますが、こうした由来を知ると、より深い意味を感じられるのではないでしょうか？
「夜船」と「北窓」—季節ごとに異なる呼び名の由来
春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」と呼ばれる和菓子ですが、実は夏と冬にも独自の呼び名があるのをご存じでしょうか？
- 夏は「夜船（よふね）」
- 冬は「北窓（きたまど）」
この名前の由来には、言葉遊びと日本の伝統的な感性が反映されています。
夏の「夜船」
「夜船」の名前は、もち米の加工方法がヒントになっています。通常、餅を作るときは杵と臼を使って「ペッタンペッタン」と音を立てながら搗きますが、「夜船」では杵と臼を使わず、すりこぎを使ってもち米をつぶして作ります。そのため、「いつ餅を搗いたのかわからない」という状況が生まれます。
ここで、言葉の遊びが生まれました。
- 「搗き（つき）知らず」 → 「着き知らず」
これを、夜に港に到着する船に見立てて、「夜は船がいつ着いたかわからない」という意味合いが加わり、「夜船」という名前がついたと言われています。
冬の「北窓」
「北窓」の名前の由来も、「搗き知らず」がヒントになっています。
- 「搗き（つき）知らず」 → 「月知らず」
ここで、さらに日本の家屋の特徴が関わってきます。日本の家では、北側の窓は日が当たらず、夜空に浮かぶ月も見えにくい方角とされていました。そのため、「北の窓からは月が見えない」というイメージが重なり、「北窓」という名前がつけられたとされています。
なぜお彼岸に「おはぎ」や「ぼたもち」を食べるのか？
お彼岸に「おはぎ」や「ぼたもち」を食べるのには、邪気払いの意味があると言われています。使われる小豆の赤い色には、古くから魔除けの力があると信じられてきました。
この考え方は、先祖供養の行事と結びつき、江戸時代になると庶民の間でお彼岸に「おはぎ」や「ぼたもち」を作って供える習慣が定着しました。先祖を敬い、家族の無病息災を願う気持ちが込められています。
まとめ｜お彼岸の意味を知り、家族と心温まるひとときを過ごしましょう
お彼岸は、先祖を敬い、自分の心を整える大切な行事です。春分と秋分の時期に行われ、家族で取り組みやすいシンプルな内容が特徴です。
お彼岸の基本を押さえておくことで、毎年の行事がもっと身近に感じられるでしょう。
お彼岸の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 春分の日・秋分の日を中日とした前後3日間（計7日間） |
| 行うこと | 先祖供養・墓参り・家庭内での供養 |
| 由来 | 煩悩の世界（此岸）から悟りの世界（彼岸）への橋渡し |
| 食べ物 | 春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」 |
| 象徴する色 | 小豆の赤色（邪気払いの意味） |
お彼岸では、家族みんなで先祖を思い、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
墓参りが難しい場合でも、家でお供え物をしたり、心の中で手を合わせたりするだけでも十分です。
お彼岸を機に、家族と一緒に季節の移ろいを感じ、心を整える時間を持ってみてはいかがでしょうか？
日々の忙しさの中でも、心を穏やかにする時間はかけがえのないものです。
今年は、お彼岸の意味を理解して、家族と一緒に温かいひとときを過ごしましょう。
