クロダイには「まずい」という噂がありますが、本当なのでしょうか。
名前に「タイ」って付いているのに、なぜ「まずい」と言われているのか、その理由も気になりますよね。
今回は、そんなクロダイについて本当にまずいのか、そしてクロダイを美味しく食べられる時期や調理方法についても詳しく解説してみました。
目次
クロダイはまずいって本当?
クロダイは「まずい」と言われることがありますが、実際は真鯛のように美味しい魚です。
クロダイは釣り人には愛されている魚なんですが、なぜか「まずい」と言われることがあります。
ではなぜクロダイは「まずい」と言われるのでしょうか?
クロダイがまずいと言われる理由
クロダイがまずいと言われる理由として、
- 臭いがきつい
- 鮮度が落ちやすい
があります。
クロダイがまずいと言われるのは臭いが原因?
クロダイという魚は、かなり強烈な臭いを放つことがあります。
理由はクロダイが雑食性であり、他の魚や海藻、流れ着いた果物の皮やゴミなど、何でも食べてしまうため、様々なものを内部に取り込むためです。
そのため内臓から臭いが発生することがあります。
つまりクロダイが何を食べていたかで臭みのある魚になってしまうことがあるんです。
これは釣った地域によって変わってくることがあります。
クロダイは汚染された場所でも生息できる
またクロダイは環境適応力が高い魚で、やや汚染された水域でも生息できます。
このため汚染が原因で体表からも臭いを放つ個体が多くなっているようです。
さらにクロダイには居着き型と回遊型の2つのタイプがあります。
居着き型のクロダイは、とても臭くてまずいと言われていますが、回遊型のクロダイはそれほど臭いがしないと考えられています。
つまり沖で釣ったクロダイは臭いが気になりにくいということです。
クロダイは鮮度が落ちやすい
クロダイは鮮度が落ちやすいことも、まずいと言われる理由。
クロダイの身が緩くなるのが早いことが原因で、これは水分量が比較的多く含まれているためです。
また同じタイ科の魚に比べて、クロダイは5~6倍ほど身の緩みが早いとされています。そのため身が緩くなると全体的に身がしまりが悪くなり、独特な食感が失われます。
このような理由から、実際にクロダイは調理人たちは扱いを避けることがある魚の一つです。身の緩さが原因の一つで、まずいという評価を受けることもあります。
なのでクロダイは、釣ったあとすぐに処理をすることが大切なんです。
クロダイを美味しく食べるポイント
もともとクロダイは脂がのった美味しい魚で、釣った直後に活け締めしていれば鮮度が保たれて美味しく食べることができます。
また沖で釣った新鮮なクロダイは、真鯛にも負けないほどの美味しさを持っています。透明感のある白身は見た目も美しく、コリコリとした歯ごたえは刺身に最適なんです。
クロダイを美味しく食べる調理方法3つ
クロダイを美味しく食べるためには、調理方法も大事です。
ここではクロダイを美味しく食べることができる調理方法を3つ紹介します。
①刺身
クロダイを美味しく食べるためには新鮮であることが大切で、なるべく早めに獲ってすぐに活締めにしましょう。内臓もしっかり取り除くことがポイントです。
刺身で食べるのがおすすめで、身は真鯛のようにコリコリしていて、口当たりが良いです。
ただし身が緩い魚なので、捌いたら早めに食べることをおすすめします。時間が経つとしまりが無くなってしまい、美味しさも失われてしまいます。
この点をしっかりと押さえて、新鮮で美味しいクロダイを楽しみましょう。
②煮付け
クロダイを調理する際、煮付けも美味しく食べられる方法です。
この方法はお酒や生姜などを使用するため、まずい原因となる「臭い」を解消することができます。効率よく生臭さをなくすためには、霜降りにすると良いでしょう。
調理前に沸騰したお湯をクロダイにかけ、霜降りをすることで生臭さを解消できます。
クロダイがたくさん釣れた場合、煮付けにすることをおすすめします。煮付けにすれば、保存がきくので、冷蔵庫で3~4日楽しむことができます。
ぜひこの美味しい方法を試してみてください。
③香草焼き
「香草焼き」は、ハーブで香り付けした料理の一種であり、美味しく食べることができる上、臭いを気にする必要がないというメリットがあります。
特ににおいが不快に感じられる場所で料理することが多いときには、うってつけの調理法と言えるでしょう。
ただし香草焼きは調理方法が複雑そうに見えるため、手軽で簡単な調理法を知りたいという人も多いかもしれません。
しかしパセリやローズマリーなどのハーブを用意するだけで、簡単に香草焼きを作ることができるんです。
クロダイはその臭いがきつくてまずいと言われることもありますが、香草焼きにすることで一気におしゃれな料理に変身することができます。
クロダイが美味しい旬の時期はいつ?
クロダイはとっても美味しい魚ですが、その旬の時期については諸説あり冬とも夏とも言われているんです。
ただクロダイの産卵期が春のため、春に釣れたクロダイは身が痩せて味が落ちてしまいます。しかし春以外の時期なら美味しく食べることができます。
例えば冬に釣れたクロダイは脂が乗っているためとても美味しいです。
たくさん釣れる夏のクロダイは「真鯛より美味しい」という意見もあるくらい。冬と夏のクロダイの味を食べ比べるのも楽しいので、ぜひ試してみてくださいね。
クロダイとはどんな魚?
「クロダイ」とは、海水魚の一種であり、スズキ目タイ科に属します。
この魚は釣り人たちにも大変人気が高く、関西地域から西へと続く地域では「チヌ」という名前で呼ばれています。
なおクロダイには、面白い特性があります。それは一部例外を除いて、2~3歳まではオスであり、それ以降はメスに性転換することです。
その見た目の特徴は「黒鯛」と呼ばれる通り、鯛の姿をしており、色合いも黒やグレーが主です。
クロダイの生息域は、東アジア全般にまたがっていて、特に水深50mほどの浅い場所を好みます。またクロダイは汚染に強く、都会の水域である東京湾等でも頻繁に釣られています。
クロダイの体長は20~50cmが一般的ですが、最大で70cmに達するものも存在します。
まとめ
以上、クロダイがまずいという噂について解説してきました。
クロダイがまずいと言われているのは、
- クロダイは雑食のため、生息地域によって臭いがきつくなることがある
- クロダイは鮮度が落ちやすく、身が緩みやすい
このような理由があるからです。
しかし本来クロダイは真鯛のように美味しい魚なんです。
クロダイが美味しいことを実感するためにも、ぜひ新鮮なクロダイの刺身を食べてみてくださいね。